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Success Case 06 80を超える多品種生産に対応した 柔軟な生産ラインを構築

TYK フィルタース様

製造業界

フィルター専門メーカーとして、2024年に創業70年を迎えたTYKフィルタース様。自動車業や産業、建設業など幅広い分野に向けて高品質なフィルターを提供し続けています。 TYKフィルタース様では、タイ国内における労務費上昇という課題を背景に、工場における継続的な生産ラインの自動化に着手。梱包工程からスタートさせたものの、工程全体の最適化にはつながらず、悩みを抱えていらっしゃいました。
作業の「ムダ」や、時間や労力などの「ロス」を徹底的になくす「Lean」な考えのもと、生産ライン全体を見据えた自動化を成し遂げたTYKフィルタース様。またデンソーのFactory IoT導入によって、省人化はもちろん、生産性の向上や安定化といった結果を得られました。導入にいたるまでの過程や成果について詳しく紹介します。

導入背景

  • タイ国内の労務費上昇により、継続的な工場の自動化が急務に
  • 工程間のバランスを考慮しない単発的な自動化で、生産ラインの最適化につながらない
  • 単なるロボット導入では、設備の段取りや保全に伴う新たなロスを生み出す原因に

導入効果

  • 作業時間を維持したまま、3人から1人への作業の省人化を実現
  • 84品種と多様な製品に対応可能なフレキシブルな生産体制を構築
  • ロボット台数を2台から1台へ減らし、設備の段取りにかかる時間を3分以内に短縮
  • 生産能力は150%、OEE(Overall Equipment Effectiveness)は85%を達成

Success Story

一つの工程にフォーカスせず、生産ライン全体を再設計

私たちTYKフィルタースでは、タイ国内における労務費の上昇を背景に、自動化による生産性向上を目指していました。

最初に着目したのは、梱包工程の自動化。ところが取り組みを進める中で、一つの工程だけで効率化や省人化を図ろうとしても、それだけでは十分な成果は得られないことを痛感しました。一つの工程だけを自動化するのではなく、前後の工程とのバランスを鑑みながら、全ての工程を再設計するところから始める必要があったのです。

そこで、まずは生産ライン全体を俯瞰し、工程の中にあるムダを徹底的に排除することから始めました。そのうえで必要なロボットの導入を行い、結果として、作業時間を変えることなく3人から1人への省人化を実現。生産能力は150%に向上し、OEE(設備総合効率)も85%という高水準を達成することができました。さらに、84品種という多様な製品にも対応できるフレキシブルな生産体制の構築にも成功しています。

一つの工程にフォーカスせず、生産ライン全体を再設計

「Lean」な自動化の導入で、安定的かつフレキシブルな生産を実現

この取り組みを通じて、私たちは「Lean」 な自動化の本質を理解することができました。たとえば、当初は製品の把握のためにVision Cameraの導入を検討していましたが、工程全体の流れを見直すことで、コンベアガイドの活用だけで把握が可能だと判断しました。これにより、必要なロボットを2台から1台に削減することができたのです。

私たちはデンソーのFactory IoTを通じて、得ることができた重要な気づき。それは、自動化とはロボットを導入すること自体が目的ではないということです。

生産ラインを徹底的に見直し、各工程で発生する「ムダ」を削減したうえで、作業や保全にかかる時間やトラブル対応にかかる労力といった、新たな「ロス」を生み出すことのないようにする。こうした「Lean」 な考えのもと、常にムダやロスを発見しながら削減し続けていくことが、真の自動化につながるのだと学びました。今後もデンソーのFactory IoTを活用しながら、「Lean」な自動化の推進に取り組んでいきます。

「Lean」な自動化の導入で、安定的かつフレキシブルな生産を実現

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